今回は「ヨガといえばこれ!」と言うくらい有名な太陽礼拝のやり方をイラスト付きでご紹介していきます
目次
太陽礼拝とは

なんて方、ヨガ歴が長い方の中にもわりといらっしゃるのではないでしょうか
かくいう私も太陽礼拝を完全に理解したのは、RYT(指導者資格)取得のためにスクールへ通ったときでした
英語ではサン・サルテーション(Sun Sultation)
サンスクリット語では、スーリヤ・ナマスカーラ
予め順番の決められたシークエンスの中で最も有名なのが太陽礼拝です
他にも月礼拝やアシュタンガヨガなど、ヨガには形式化されたシークエンスがいくつか存在します
※シークエンスとは、アーサナ(ポーズ)の組み合わせによる動きの流れを指します
取り組むアーサナの種類や順番、呼吸のカウント数も決まっていますので
一度覚えてしまえばご自宅でも気軽にヨガを楽しめるようになります!
太陽礼拝の効果とは
太陽礼拝の効果
- 日常に対する感謝の気持ちが芽生える
- エネルギッシュになれる
- 変化に気付く機会を与えてくれる
- 集中力が向上する
1. 日常に対する感謝の気持ちが芽生える
太陽礼拝はその名のごとく、太陽に向かって祈りを捧げるという意味を持っています
毎朝太陽が昇り、新しい1日が始まること
そんな当たり前の出来事に意識を向け、感謝の気持ちで心を満たす
忙しく暮らしていると、人生を生きる喜びすら忘れてしまう時があります
太陽礼拝の動きと共に、ありふれた日常が今日も続く幸せに思いを馳せてみると、いつもより前向きな一日のスタートが切れるようになりますよ
2. エネルギッシュになれる
太陽礼拝はレッスンにおける全身のウォームアップとして使われます
身体の大きな筋肉(背筋や臀筋、腿など)をくまなく使うことで、体が熱を作り出し、心身ともにエネルギッシュになれます
1日の活力を生み出す意味でも、朝の太陽礼拝はとても効果的と言えます
3. 変化に気付く機会をくれる
昨日より、もも裏の筋肉が柔らかい
今日は腰がちょっと調子悪いかも
ここ最近、前向きな気持ちで取り組めているな
太陽礼拝を習慣化すると、体や心の状態を見つめる時間が確保されます
そして同じ動きを繰り返す中で、同じ動きの中にも些細な変化があることに気付かせてくれます
これは心身の状態だけではなく、人生においても同じことが言えます
たとえ、同じような生活の繰り返しに感じても、今日と同じ日は二度と来ない
「今この瞬間」に意識を向け、小さな変化にも気付ける繊細さは人生を豊かにしてくれるでしょう
4. 集中力が向上する
太陽礼拝は回数を重ねるごとに動きが体に馴染み、余計なことを考えず、動きに没頭できるようになります
現代人の暮らしは日々選択に迫られます
選択できるということは自由であるということですが、自由は時にストレスを伴います
どちらの選択が良い結果をもたらすだろう?と一日に何十回も悩んでいては疲れてしまいますよね
太陽礼拝のように決められた動きを決められた通りに行うということは、選択の余地が入り込まないということでもあります。せめて太陽礼拝の間だけは選択を手放し、流れに身を乗せて動いてみてください。
集中力が日増しに高まっていくのを感じられると思います。
繰り返せば繰り返すほど、新しい気付きに出会う奥深さ
ヨガをする人たちが太陽礼拝を愛する理由はここにあるのかなと思います。
太陽礼拝Aと太陽礼拝Bの違い
太陽礼拝には、太陽礼拝Aと太陽礼拝Bが存在します
太陽礼拝AとBの違い
・太陽礼拝Bの方がヴィンヤサの回数が多い=1回のシークエンスが長い
・太陽礼拝Bの方が、登場するアーサナの強度(難易度)が高い
また、これとは別に、半分の太陽礼拝というものも存在します
半分の太陽礼拝は最も強度が低いので、太陽礼拝AやBの前にウォームアップとして取り入れる先生が多いです
※ヴィンヤサ=ポーズとポーズの繋ぎとして登場する一連の動き
半分の太陽礼拝の流れ
次のページでは、イラスト付きで解説しています。
- タダーサナ
- ウールドゥヴァ・ハスターサナ
- ウッタナーサナ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ウールドゥヴァ・ハスターサナ
- タダーサナ
太陽礼拝Aの流れ
- タダーサナ
- ウールドゥヴァ・ハスターサナ
- ウッタナーサナ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ランジ
- プランク
- チャトランガ・ダンダーサナ
- アップドッグ
- ダウンドッグ
- ランジ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ウールドゥヴァ・ハスターサナ
- タダーサナ
太陽礼拝Bの流れ
次のページで、イラスト付きで紹介しています。
▼太字の箇所がヴィンヤサ
- タダーサナ
- ウトゥカターサナ
- ウッタナーサナ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ランジ
- プランク
- チャトランガ・ダンダーサナ
- アップドッグ
- ダウンドッグ
- ヴィラバドラーサナ1(右)
- プランク
- チャトランガ・ダンダーサナ
- アップドッグ
- ダウンドッグ
- ヴィラバドラーサナ1(左)
- プランク
- チャトランガ・ダンダーサナ
- アップドッグ
- ダウンドッグ
- ランジ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ウトゥカターサナ
- タダーサナ
太陽礼拝Bの軽減法
- タダーサナ
- ウトゥカターサナ
- ウッタナーサナ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ランジ
- プランク
- 膝ついて胸・お腹同時に床に着地
- ベイビーコブラ
- ダウンドッグ
- ハイランジ(右)
- プランク
- 膝ついて胸・お腹同時に床に着地
- ベイビーコブラ
- ダウンドッグ
- ハイランジ(左)
- プランク
- 膝ついて胸・お腹同時に床に着地
- ベイビーコブラ
- ダウンドッグ
- ランジ
- アルダ・ウッタナーサナ
- ウッタナーサナ
- ウトゥカターサナ
- タダーサナ
【初心者向け】図解付き太陽礼拝Bのやり方
軽減法について
身体が硬いなどの理由からポーズに入ることができない人のために、負担を減らす軽減法というものが用意されています
軽減法を用いれば元の形よりも容易にポーズに入れますが、得られる効果には大差ありません
軽減法を取るのは恥ずかしいと思って無理をしてしまう方もいますが、軽減法を取れる人は自分の身体をよく理解している人です
身体を痛めないためにも、まだ自分には難しいと感じたら積極的に軽減法を選択してください
では、太陽礼拝Bの紹介をはじめます
軽減法を知りたい方へ:赤字を参考にしてみてください
タダーサナ
マット前方で「気をつけ」の姿勢で立つ
肩の力を抜き、おでこは正面の壁に向ける
脚の親指の付け根同士を合わせ、踵と踵の間は少しだけ離して
目安として、マットの横のラインと両足小指〜かかとを結んだラインが平行になるように
くるぶしの骨の上に膝、腰骨、肩、耳たぶが一直線に並びます
ウトゥカターサナ
次の吸う息が来たら膝を曲げ、両手を天井に向かって伸ばします
ウトゥカターサナ、椅子のポーズ
ウッタナーサナ
吐く息、脚の付け根から深い前屈ウッタナーサナ
両手着けるようなら床に
軽減法>膝を曲げて
胸とお腹をくっつけ、背骨を長く保ちます
お尻高く、首の力は抜いて、頭の重さで背骨ひとつひとつの間が伸びていくのを味わう
アルダウッタナーサナ
吸って、上体床と平行まで持ち上げる
アルダウッタナーサナ、半分の前屈
軽減法>両手は腿かすねに置いて
背骨をまっすぐに伸ばす
首の後ろまで長く、目線はななめ前の床
ランジ
吐いて両手床、右足大きく後ろに一歩引いてランジの姿勢
右足裏、指の付け根でしっかり床を捉えて、右脚付け根をストレッチ
プランク
吸って左足も後ろに引いて腕立て伏せの姿勢
頭頂からお尻まで一直線
目線斜め前の床
手のひらで強く床を押し、腹筋を使っておへそを背骨の方に引きあげる
もし肘の内側のしわが正面を向いてしまっているなら少し肘を緩めて、しわ同士軽く向かい合わせ
チャトランガ
吐いて、脇を締め、肘を曲げてチャトランガ
軽減法>両膝床に着き、つま先寝かせる。胸おなか同時に着地
頭頂からつま先まで一直線の板のポーズ
アド・ムカシュバナーサナ・アップドッグ
※軽減法をとる場合は次に進んで、ベイビーコブラをチョイス
吸って、手の平と足の甲で床を押し、上体持ち上げアップドッグ
肩甲骨腰の方に引き下げ、胸を開く
腰は反りたくないのでおへそは背骨に近づけたまま
ベイビーコブラ
吸って、手の平胸の横に着き、床を押して胸を持ち上げる
耳と肩の距離を離して首を長く。脇をしめ、肘の真下に手首
おへそは胸の方へと引き上げる意識
ウールドヴァ・ムカシュバナーサナ・ダウンドッグ
吐いて、ダウンドッグ
両手両足でマットを強く押し、お尻を高く引き上げます
目線は足と足の間、お尻の骨から首の後ろまで長く保つ
腰が反らないように腹筋の力も使って、おへそを背骨に近づけます
太ももの裏の伸びが気持ちいいところで数呼吸キープ
軽減法>かかとが床に着かない場合はひざを曲げても大丈夫。つま先立ちでも構いません。
次の吸う息、目線前
ヴィラバドラーサナⅠ または ハイランジ
吐いて、右足両手の間、左足かかとを床に着き骨盤正面向き
吸って、両手を上に、ヴィラバドラーサナⅠ
軽減法>吐いて、右足両手の間に着き、
吸う息、骨盤起こし両手を上に、ハイランジ
※後ろ足かかとは浮いています。
ヴィンヤサ
ヴィンヤサとは
ここで今までにやった流れが再度登場します
左右非対称のポーズは前足側と後ろ足側で使う筋肉が異なります
体を左右平等に使うためには足の入れ替えが必要です。足の入れ替えのために行う繋ぎの要素がヴィンヤサです
吐いて、両手床。吸って、右足を後ろに引いてプランク。
[ヴィンヤサ]
吸)プランク
吐)チャトランガ
吸)アップドッグ
吐)ダウンドッグ
吸)目線前
吐)左足を両手の間に
吸)ヴィラバドラーサナⅠ
吐)両手床
吸)プランク
吐)チャトランガ
吸)アップドッグ
吐)ダウンドッグ
軽減法
吸)プランク
吐)膝ついて胸おなか同時に床
吸)ベイビーコブラ
吐)ダウンドッグ
吸)目線前
吐)左足両手の間にセット
吸)左足前のハイランジ
吐)両手床
吸)プランク
吐)膝ついて胸おなか同時に床
吸)ベイビーコブラ
吐)ダウンドッグ
最後のダウンドックは3~5呼吸キープします
ご自身の呼吸を味わってください
ラスト
次の吸う息、目線前
吐いて、右足前のランジ
吸って、後ろ脚前にそろえてアルダウッタナーサナ
軽減法>手が床に着かないときは腿か脛に置きます
吐いて、ウッタナーサナ、深い前屈
軽減法>膝をまげても大丈夫
吸って、膝をまげたまま上体起こし、両手天井、ウトゥカターサナ
吐いて、気をつけ。タダーサナ
太陽礼拝Bは初心者向きではない?
お疲れ様でした〜!
一通りやってみると分かりますが、太陽礼拝BにはヴィラバドラーサナⅠやチャトランガなどヨガ初心者の方には少し難しいポーズが含まれています
ヴィンヤサも多く、1回のシークエンスが長いので体力も必要
まだ太陽礼拝Bはしんどいなと感じる場合は、太陽礼拝Aから慣らしていくと良いでしょう
無理にアサナに入るのではなく、自分のいまの体の状態を把握し、正しい効果を得るために積極的に軽減法にもチャレンジしてみてください
体の準備が整っていない状態で強度の高いアーサナにチャレンジしても、正しくポーズに入れない=アサナの実践による効果が得られないということになります
周りはみんなできているのに…と焦る気持ちはとてもよくわかりますが、正しい選択をする(軽減法を選ぶ)勇気もまた、ヨガなのだと思います
毎朝家でやる分には人と比べる必要もないので、その分じっくりご自身とむきあってみてくださいね
朝の太陽礼拝でみなさんが素敵な1日のスタートを切れますように!
最後までお読みいただきありがとうございました!