今回は八支則の中の二つ目。行動レベルの取り組みである二ヤマ(勧戒)について紹介しますね。
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【ヨガ哲学】八支則はヨガで幸せを手にするための8つのルール
2020/8/14
2. Niyama(二ヤマ) 〜日常生活で積極的にやると良いこと〜
ニヤマもヤマと同様に、さらに細かく5つの行動師範が定められています。順に見ていきましょう。
1. シャウチャ(清潔)
ひとつ目は清潔・清浄であることです。ヨガにおける清潔の対象は、身体と心の両方です。
内側も外側も清潔に保つことで、精神的にも身体的にもネガティブな状態を取り払えるとされます。
身体的な清潔はお風呂に入る、身なりを整えるなどイメージしやすいかと思います。
では、精神的な清潔とはどのよなものがあるでしょうか。例えば、良い友人と付き合うこと。それによって苛々したり暴力的になることが減ります。
嘘をつかず正直でいることも清らかな心に繋がります。
何かに執着して、欲望にまみれたりしないことも大事です。
非暴力・正直・無執着…。どこかで聞いたことのあるキーワードだと感じましたか?
そうなんです。これはヤマの5つの教えです。ヤマの実践により、シャウチャは自然と習得できるのです。
2. サントーシャ(知足)
ふたつ目のニヤマに移ります。
漢語的に読むと、足るを知る。サントーシャの実践において大切なことは「比べないこと」です。
ヨガでは、私たちの成長するために必要なものはこの世界が初めから与えてくれていると考えます。
自分が今いる環境を受け入れ、感謝すること。自分が十分に素敵で大切な存在であることを知ること。ポジティブでハッピーでいること。それがサントーシャです。
そんなの性格でしょ?と思うかもしれませんが、この八支則に書かれていると言うことは訓練で養えるものだということです。
ご自身が満たされた存在であることに気付くことも立派な修行なのです。
3. タパス(苦行)
3つめのタパスは苦行・規律のことをいいます。
そう聞くとすごく自分を縛りつけるもののように感じるかもしれませんが、これは心にゆとりをくれるものでもあるのです。
私たちは日々、多くの決断を迫られています。
「自由には責任が伴う」という決まり文句がありますが、自由であるということは無数にある選択肢の中から自分を幸せにしてくれる最良の選択をしなければならないということでもあります。そしてこの決断するという行為に現代人は知らず識らず疲れています。
タパスは他人に押し付けられるものではありません。自分で決めたことを守り続けることがタパスの本質です。
自分でひとつルールを決めればひとつ決断の機会が減る、もしくは決断が楽になります。
appleの創業者スティーブ・ジョブズがいつも同じ服を着ていたのもタパスです。
そうやって規律に従って生きることで選択するというストレスから解放されリラックスした優しい心を得られるのです。
4 . スヴァディヤーヤ(聖典読誦)
4つめは学び続けること。
学ぶことで世界を広げ、先人の残した偉大な知恵を自分自身の人生に活かすためにスヴァディヤーヤを実践しましょう。
5 . イーシュワラプラニダーナー(神への祈念)
5つめ。最後は神への祈りです。
イーシュワラは神、プラニダーナーは身を委ねるという意味を持ちます。
神と一言で言っても色んな神がいますが、ここでいう神はこの世界全てです。
地球上、宇宙の隅々まで、過去・現在・未来も含めた世界全てが神であり、この偉大な大いなる力を認め、自身の更なる成長を祈り願うこと。
それが神に身を委ねるということです。